贈与税の基礎控除
2017/5/2
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第27号
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今日は贈与税について基本的なところからお話しします。贈与税とは、個人から個人に財産が無償で移転した場合に、財産をもらった側に課税される税金です。しかし、何でもかんでも課税されるわけではなく、一定の金額までは非課税となるものや、もらった物によってそもそも非課税であるものなどがあります。
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贈与税の基礎控除
贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、1暦年中110万円以下の贈与については、贈与税は課税されません。1暦年中に110万円を超える部分の金額に対して贈与税が課税されます。
この方法により計算される贈与を暦年課税贈与といいます。
<暦年課税の贈与税の計算方法>
(1暦年中に贈与により取得した財産の価額の合計額 × 基礎控除額110万円)× 贈与税率 = その年分の暦年贈与税額
ここで注意点があります。1暦年中に贈与により取得した財産の価額の合計額とは、贈与者を問わず、受贈者ごとに計算されるということです。
例えば、小学生の娘が、じいちゃんA、先生B、いとこC からそれぞれ現金100万円をもらった場合には、合計300万円から基礎控除額110万円を差し引き、その残額に贈与税率を乗じます。やってはいけないのは、じいちゃんA、先生B、いとこCの100万円それぞれが110万円以下だから、全て基礎控除額以下となるよね、です。これはアウトです。
あと、どうでもいい話ですけど、なぜ先生Bから100万円もらうんでしょうね。テストでいい点をとったからとか、志望校に合格して先生の株が上がったからとかでしょうか。世の中には100万円をポンと出す人はいますが、お祝い金にしては多いですね。
贈与税については、今後幾つかの論点に分けてお話ししたいと思います。
本日は平日ですが、GWということで仕事がお休みの方が多かったのではないでしょうか。僕はカレンダー通りに仕事をしていますが、本日は仕事を休みました。そして、近所の神社の祭りの手伝いをしていました。明日が例大祭なのです。今日は祭り会場等の設営も完了し、宵宮祭も無事に執り行われました。明日は天気も良く神輿かきには最高の日になりそうです。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
試験研究費かどうか迷ったときの判断基準
2017/4/30
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第26号
ご覧いただきありがとうございます。
試験研究費の特別控除関係を立て続けにお話ししてきましたが、本日は試験研究費に計上して良いのかどうか迷ったときの判断基準についてお話しします。
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試験研究費かどうか迷ったときの判断基準
青色申告書を提出する法人が、製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用、或いは、新サービスの開発のための費用(試験研究費という。)を支出した場合には、一定の金額を法人税額から控除することが出来ます。これまで何度かに分けてお伝えきました通りで、一部には中小企業者の特例もありましたよね。
それでは、自社が行っている活動が試験研究に該当するかどうか迷ったときにはどうすればいいのでしょうか?
特別試験研究費については具体的に定められていましたが、特別試験研究費に該当しない“一般の”試験研究費の場合はどう判断すればいいのでしょうか。
結論から申し上げますと、自社が試験研究費だと認識するならば試験研究費に計上するということになります。
例えば、自社が新製品の開発や技術の改良のために特別に費用を支出して試験研究を行っていると認識しているならば、それは試験研究費なのです。自社の技術は世界最先端ではないから試験研究費に計上するのは“おこがましい”なんて卑屈に考える必要はありません。自社基準で考えて良いでしょう。
税務当局側も、「我々は様々な会社を調査して大体の世の中のレベルを知っているつもりです。それを前提に、大変申し上げにくいのですが、貴社が現在総力を挙げて取り組んでいらっしゃる試験研究は、実は世の中のレベルと比較すると、程度が低く、周回遅れといっても過言ではありません。従って、貴社の試験研究費については、我々は試験研究費として計上することを認めません!」なんてことは言えないのです。
だから安心して?試験研究費に計上してくださいね。
料理を大勢で食べると美味しくなりますね。昨日、今日と家族で実家に帰っておりました。全員大集合とまではなりませんでしたが、それでもワイワイ、ガヤガヤ楽しく食事が出来ました。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
オープンイノベーション型の運用改善
2017/4/27
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第25号
ご覧いただきありがとうございます。
本日も引き続き、試験研究費の特別控除関係についてお話します。本日は、特別試験研究費の特別控除(オープンイノベーション型)の運用改善についてです。従来はオープンイノベーション型の運用については範囲が限定されていたり、事務負担が大きかったりしましたが、利用の促進を図るため、平成29年度改正でこれらの問題点の改善が図られました。
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オープンイノベーション型の運用改善
≪現行の問題点≫
① 特別試験研究費の対象となる共同研究及び委託研究に係る相手方が支出する費用について、対象費目(原材料費、人件費、旅費、経費、外注費)が限定されていました。
② 契約変更があった場合には、その契約変更日以後に支出した費用のみが特別試験研究費の対象となっていました。
③ 特別試験研究費の対象となる費用の金額の確認について、費用内訳(明細書)と領収書等との突合作業が必要と考えられていました。
≪平成29年度改正による改善点≫
① 特別試験研究費の対象となる範囲を、特別試験研究のために要した費用の“総額”とし、光熱費や修繕費等の間接経費も含まれるようになりました。
② 契約変更前に支出した費用であっても、その契約に係るものであることが明らかであり、その支出日と契約変更日が同一事業年度内であれば特別試験研究費の対象となりました。
③ 特別試験研究費の金額の確認について、費用内訳(明細書)と領収書等との突合作業が不要となりました。
本日の内容は概要ですが、後日、本改正に関するガイドラインを確認した後にもう少し詳しくお話しする機会を作ろうと思っています。
本改正の趣旨としては、現行では規定を適用するための入り口でガチガチにしているため、適用を受けようとする企業側が“めんどくさい“と認識して敬遠していた傾向がありましたが、国側もそれを認識して、今後は融通をきかせましょう、ということでしょう。国力を上げるために税制面での運用改善を通じて本気度を示してきたということでしょうね。”めんどくさい“規定が他にもたくさんありますが、それらについても徐々に使いやすい規定に改定されるといいですね。
僕は車の運転中、思いやりのある運転を心掛けております。歩行者優先の心掛けをしたときや、別の車に先に道を譲ったときなどに、その歩行者や相手方のドライバーからお礼のジェスチャーが返ってくると幸せな気分になります。その時その空間がパッと明るくなります。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
試験研究費 人件費の専ら要件
2017/4/25
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第24号
ご覧いただきありがとうございます。
試験研究費の特別控除の対象となる試験研究費は、製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用、或いは、新サービスの開発のための費用で、”損金の額に算入されるもの”をいい、具体的には試験研究のための原材料費、人件費、経費等が該当します。
本日はその中から、試験研究のための人件費について詳しく見ていきます。
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人件費の専ら要件
試験研究費に含める人件費は、専門的知識をもって試験研究の業務に“専ら”従事する者に係るものをいいます。たとえ研究所等に専従する者に係るものであっても、例えば事務職員、守衛、運転手等のように試験研究に直接従事していない者に係るものは含まれないことに留意する必要があります。
以上のように、措置法通達には試験研究の業務に“専ら”従事している者の人件費のみが試験研究費に含まれることが規定されています。
それでは、“専ら”従事している者とはどのような者なのでしょうか。これについては、経済産業省から解説が出されているので、これをもって判断材料にすると良いでしょう。これを知らずに上記の措置法通達だけで判断すると判断に迷い間違いのもとになりますし、本来なら試験研究費に含めることができた試験研究費を見過ごしてしまうことにもなりかねません。知っているのと知らないのとでは大違いなのです。
専ら要件に該当する者
(1)試験研究を専属業務とする者(試験研究部門に属している者、研究者としての肩書を有する者等)
(2)研究プロジェクトの全期間中従事する者
(3)次のすべての事項を満たす者
①試験研究のために組織されたプロジェクトチームに参加する者が、研究プロジェクトの全期間にわたり研究プロジェクトの業務に従事するわけではないが、研究プロジェクト計画における設計、試作、開発、評価、分析、データ収集等の各フェーズのうち、その者が専門的知識をもって担当する業務に、その担当業務期間中、専属的に従事すること。
②担当業務が試験研究のプロセスで欠かせないものであり、その者の専門知識がその担当業務に不可欠であること。
③研究プロジェクト計画に沿ってその者が担当業務に従事しており、トータルとして概ね1ヶ月(実働20日程度)以上従事していること。(連続した従事期間でない場合であっても良く、担当業務の特殊性から間隔を置きながら行われる場合には、その期間をトータルするものとする。)
④その者の担当業務への従事状況が明確に区分され、担当業務に係る人件費が適正に計算されていること
以上のように、(3)では、たとえある一定の期間だけであったとしても、専門的知識をもって試験研究プロジェクトに従事する者の人件費については一定の要件をもとに試験研究費の額に含めることができます。
同じ試験研究を行うのであれば、優遇税制の適用を確実に受けるためにも、プロジェクト計画をしっかりと作成する、従事状況の記録を正確に取る等を行いたいものです。
≪一言≫
職場まで車通勤をしています。電車通勤だとラッシュアワーの時にはぎゅうぎゅう詰めになるものの概ね時間通りに電車は進みますが、車通勤だと電車よりも不確実性が高く、季節、曜日、その日の天候等によって、朝の渋滞状況は大きく変化します。
渋滞にはまるとイライラしがちですが、あえてここは気持ちを正常にすることが大事ですね。自分はなぜイライラするのか、その根源は、「時間が無駄になっている」と感じるからだと思います。そこで、時間を無駄にしないために、自己啓発のCDを聴く、資格試験の勉強をする、好きな音楽を大音量で聴く、歌う、プレゼンの練習をする等々、通勤時間を有効に利用するようになりました。(もちろん、安全運転が基本ですが。)
これは一石二鳥です。
時間も有効に使えますし、渋滞でもイライラしない心になりますね。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
試験研究費の範囲の拡充
2017/4/23
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第23号
ご覧いただきありがとうございます。
先般、試験研究費の範囲についてお話しましたが、本日はその中から“新サービスの開発のための費用”についてお話します。この費用は、平成29年度税制改正によって拡充された試験研究費に該当します。
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試験研究費の範囲の拡充
平成29年度の税制改正によって、試験研究費の範囲に、新サービスの開発等に係るものが追加されました。この結果、試験研究費の範囲は、大きくは次の3つになりました。
・製品の製造に係る試験研究費
・技術の改良・考案又は発明に係る試験研究のための費用
・新サービスの開発等に係る費用
新サービスの開発等に係る費用とは、ビッグデータ等を活用した第4次産業革命型のサービスに係る費用のことをいいます。
そのサービスの例示が経済産業省から出ています。
①各個人に応じたヘルスケアサービスのための、各個人の運動・睡眠・食事・体重・心拍数等の健康データの分析とそのデータを活用するサービス
②自然災害から身を守るための、ドローン等を活用した気象データ等の収集・分析と、リアルタイムな自然災害予報の通知サービス
③農業を支援するための、土壌データや気象データのセンサーによる自動収集、分析と、農家が最適な農作業をできるような支援情報を配信するサービス
④観光のための、ドローンや人工衛星等を活用した気象データ、生態系データの組み合わせ分析と、その分析結果を生かした高付加価値だが発生頻度の低い自然現象等の発生を精緻に予測するサービス
平成29年度の税制改正の目的
総務省によれば、IOT、ビッグデータ、AI等の技術の台頭に伴う第4次産業革命と呼ばれる今後の産業構造の大きな変革を見据えると、これまで以上に不確実性が高く難しい研究テーマに対して、先行的かつ継続的にチャレンジすることが企業の競争力の原動力になることから、「骨太の方針」において掲げられた2020年までに官民合わせた研究開発投資を対GDP比の4%以上にする高い目標を達成するためには、民間企業の中長期的な視点を踏まえた研究開発投資の大幅な増加を促す必要があるとされています。
そのため、研究開発投資を税制面からもバックアップするために、平成29年度においては研究開発税制の拡充、延長、見直しが幾つも行われているのです。
山道をドライブしていると群生しているミツバツツジを見かけました。写真を撮るために下車したら、そこは、すぐ傍で、いたるところからウグイスの鳴き声が聞こえる場所でした。しばらくの時間うっとり、その音色を楽しみました。サラッと通り過ぎていなくて本当に良かった。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
試験研究費が高水準である場合の特別控除
2017/4/20
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第22号
ご覧いただきありがとうございます。
本日は「試験研究費が高水準である場合の特別控除」についてお話します。この規定は、前回お話した「試験研究費の増加に係る特別控除」と同じ租税特別措置法第42条の4内にセットで規定されているもので、どちらか一方の選択適用となっており、一括りして「試験研究費が増加“等”した場合の法人税額の税額控除」と呼ばれています。
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試験研究費が高水準である場合の特別控除
青色申告書を提出する法人の各事業年度において一定の要件に該当する場合には、その法人のその事業年度の所得に対する調整前法人税額から一定の方法により計算した控除額を控除します。
<要件>
その事業年度の試験研究費割合が10%を超えていること
つまり、
その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額を平均売上金額(その事業年度及び過去3事業年度の合計4事業年度分の売上高の平均額)で除して計算した割合が10%を超えていること
もっと簡単に言い換えれば、
当期の試験研究費の額が平均売上金額の10%を超えていることです。
<計算式>
(1)先ずは、税額控除限度額を計算します。
(試験研究費の額 - 平均売上金額×10%)× 控除率※ = 税額控除限度額
※控除率 =(試験研究費割合 - 10%)× 0.2
(2)次に、税額基準額を計算します。
調整前法人税額 × 10% = 税額基準額
(3)最後に、税額控除限度額と税額基準額を比較して、いずれか少ない金額を特別控除額とします。
平成29年度の税制改正
試験研究費の増加に係る特別控除が廃止されることとなりましたが、この規定は、平成29年度改正において、平成31年3月31日までの2年間延長されることとなりました。平成29年3月31日までに開始する事業年度においては、試験研究費の増加に係る特別控除との選択適用があることにご留意下さい。
最近春らしい季節になってきましたね。
ウグイスの声をよく聞くようになりました。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
試験研究費の増加に係る特別控除
2017/4/18
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第21号
ご覧いただきありがとうございます。
《今日の前フリ》
最近、感情の伝染に罹ってしまいました。
普段なら僕は、話し相手や周りの人たちの感情に流されることは少ないのです。
特に怒りの感情なんて、完全にバリアを張ってシャットアウトしていますから。
多少嫌なことを言われようが、言い争いの場に遭遇しようが、全然大したことないのです。
しかし最近、地域の会合の場で、お互いが相手のことを思いやらない怒気のこもった言葉を飛び交わしている部屋に2時間も滞在する羽目になってしまったのです。
これにはさすがのバリア効果も薄れてきてしまいましたね。伝染したと思いました。
時既に遅しですが、結局、最後は途中退席しました。
これを浄化するのには一苦労しました。その翌々日、職場でふとしたことから、危うく“怒りレベル”の発言をしそうになりましたが、やっとのことで“叱るレベル”で落ち着かせることが出来ました。ふぅ、あぶないあぶない。
でも実はこれ、僕の収穫となったのです。今までは、叱りたくても叱り方が分からない場面がありましたから。おかげさまで、怒気なんて一切出さずに、場を引き締めるための気の出し方を体得することが出来ました。笑
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このシリーズ、長くなりましたね。今回は、試験研究費の増加に係る特別控除についてお話します。
試験研究費の増加に係る特別控除
青色申告書を提出する法人の各事業年度において次の一定の要件に該当する場合には、その法人のその事業年度の所得に対する調整前法人税額から一定の方法により計算した控除額を控除します。
<要件>
・増加試験研究費の額が比較試験研究費の額の5%を超えること、かつ
・当期の試験研究費の額が基準試験研究費の額を超えること
増加試験研究費の額・・・当期の試験研究費の額 - 比較試験研究費の額
比較試験研究費の額・・・過去3年間の試験研究費の額の平均額
基準試験研究費の額・・・過去2年間の試験研究費の額のうち多い金額
<計算式>
(1)先ずは、増加試験研究費割合を計算します。
増加試験研究費の額 ÷ 比較試験研究費の額 = 増加試験研究費割合(最大30%)
(2)次に、税額控除限度額を計算します。
増加試験研究費の額 × 増加試験研究費割合 = 税額控除限度額
(3)さらに、税額基準額を計算します。
調整前法人税額 × 10% = 税額基準額
(4)最後に、税額控除限度額と税額基準額を比較して、いずれか少ない金額を特別控除額とします。
平成29年度の税制改正
この規定は、平成29年度改正において廃止されることとなりました。しかしながら、平成29年3月31日までに開始する各事業年度においては従前のとおりですので、法人の決算期によっては、まだ適用可能な法人があることにご留意下さい。
試験研究費の増加に係る特別控除は廃止となりますが、増加分の優遇措置については、先日お話しました試験研究費の総額に係る特別控除(時限措置)にその内容が織り込まれていると理解しています。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
中小企業者等の試験研究費の特別控除
2017/4/16
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第20号
ご覧いただきありがとうございます。
今日はこの春最後になるだろう花見散策に出かけました。
いやぁ、とても暑かったです。ホントに。
服装を間違えてしまいまいました。ジャケットを着て出かけたのですが、道中はずっと脱いで腕に掛けていましたから。昼間は半袖が正解でしたね。
外国人の観光客がとても多かったです。撮影スポットなんて、回りの100人中、日本人は10人もいなかったと思います。
僕が小学生くらいの時には、外国人が数人いただけで、「外人だ、外人だ」って物珍しく思っていましたから、ずいぶんと時代は変わりましたね。
僕は、今の多くの外国人が日本を観光している状態を嬉しく思います。もっとたくさんの外国人に日本を体験してもらいたいですね。
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さて、前回、前々回で「特別試験研究費の特別控除」及び「試験研究費の総額に係る特別控除」についてお話ししました。
今回は、中小企業者等の試験研究費の特別控除についてお話しします。
今回の中小企業者等の試験研究費の特別控除については、前回の試験研究費の総額に係る特別控除との選択適用になりますが、控除率が明らかに今回の特別控除の方が有利となるので、中小企業者等の方は実務上は今回の特別控除の方を選択すると良いですね。
中小企業者等
法人税法では、この“中小企業者等”という用語がよく登場し、中小企業者等に限定した優遇規定が数多くあります。
中小企業者等とは、次のいずれかの法人をいいます。
・資本金又は出資の金額が1億円以下の法人
・資本金又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1000人以下の法人
・農業協同組合等
但し、次の法人は、上記に該当しても中小企業者等に該当しません。
・大規模法人(資本金若しくは出資の金額が1億円超の法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する使用人の数が1000人を超える法人のことをいう。)に発行済株式又は出資の総数等の3分の2以上を所有されている法人
・2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数等の3分の2以上を所有されている法人
つまり、見かけ上の会社の規模は中小であっても、大企業の子会社などのように、実質的には大企業の一事業部門と考えられるような企業については、優遇規定は必要ないでしょう、ということです。
中小企業者等の試験研究費の特別控除
中小企業者等で青色申告書を提出するものの各事業年度において、その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額がある場合には、その法人のその事業年度の所得に対する調整前法人税額から次の計算式で計算した特別控除額を控除します。
<計算式>
(1)先ずは、税額控除限度額を計算します。
特別試験研究費以外の試験研究費の額 × 控除率(※) = 税額控除限度額
※控除率は、12%~17%で、増減試験研究費割合によって、次のように異なります。
・増減試験研究費割合が5%超の場合
控除率 : 12% + (増減試験研究費割合-5%) × 0.3
・増減試験研究費割合が5%以下の場合
一律12%
増減試験研究費割合とは、試験研究費の額から比較試験研究費の額を減算した金額の当該比較試験研究費に対する割合をいいます。
比較試験研究費とは、前3年以内に開始した各事業年度において損金の額に算入される試験研究費の額を平均した額をいいます。
(2)次に、税額基準額を計算します。
調整前の法人税額 × 25% = 税額基準額
(ただし、増減試験研究費割合が5%超の場合には、10%の上乗せ規定があります。)
(3)最後に、税額控除限度額と税額基準額を比較して、いずれか少ない金額が特別控除額になります。
平成29年度の税制改正
上記の控除率は、平成29年4月から平成30年度末までの時限措置になります。
改正前は試験研究費割合に応じて12%の控除率でしたが、12%~17%に改正されました。平成30年4月からは恒久措置の一律12%に戻ります。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ