贈与税の配偶者控除

2017/5/9

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第30号

 

ご覧いただきありがとうございます。

婚姻期間が20年以上である配偶者間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与があった場合には、暦年贈与の110万円の基礎控除以外に最高で2000万円までの控除をすることができる特例があります。贈与税額でざっくり750万円程の節税になります。しかもこの特例部分は、前回お伝えした相続開始前3年以内の贈与(生前贈与加算)の対象にはならないので、“急な”贈与であっても相続税が課税されることはありません。その分、適用要件がたくさんありますので、今回はそれらを見ていくことにしましょう。

  

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贈与税の配偶者控除

 

婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合には、取得した財産の価額から110万円の基礎控除額のほかに配偶者控除額として最高2000万円を差し引くことができます。これを贈与税の配偶者控除といいます。

 

この特例を受けた場合には、年間で最大2110万円(110万円+2000万円)までの贈与については、贈与税は課税されません。

 

 

適用要件

 

贈与税の配偶者控除の適用を受けるための要件は次のとおりです。

 

①婚姻期間が20年以上である配偶者間での贈与であること

 

②配偶者から贈与を受けた財産が、国内にある贈与を受けた者の居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭であること

 

③贈与年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭により取得した不動産に実際に居住し、かつ、その後も引き続き居住すると見込まれること

 

④同一の配偶者から過去にこの規定の適用を受ける贈与をされていないこと

 

⑤一定の書類を添付して贈与税の申告をすること

 

 

適用対象となる居住用不動産の範囲

 

贈与税の配偶者控除の適用を受けることができる居住用不動産の範囲は、受贈者である配偶者が居住するための国内にある家屋又はその家屋の敷地(借地権を含む。)となります。

 

家屋と土地は一括して全てを贈与される必要はなく、家屋のみ、土地のみ、又は家屋と土地の一定割合であっても適用対象となります。

 

 

家屋・土地の評価額

 

相続税の計算に使用する評価方法と同じで、財産評価基本通達等により評価額を計算します。家屋であれば、固定資産税評価額の1.0倍、土地であれば路線価方式又は倍率方式により一定の方法で計算します。

 

 

カップル, 花嫁, 愛, 結婚式, ベンチ, 残り

 

(ひとこと)

ゴールデンウィークボケという言葉が広く使われているのかどうか分かりませんが、長い休みの明けに、昨日、自分はボケたのではないかと感じました。ボケながらもショックを受けたのですが、では何故そうなったのか、理由を考えることにしました。そして、幾つか考えついた理由のうち、一番大きな理由は“これ”だと思いました。つまり、毎朝の車通勤時に人知れず行っている「笑い・口角上げ」を昨日の朝は失念したこと。やっぱり顔が固まると行動も硬くなってしまっていたようです。この失念自体もボケのせいかも知れませんが、そんなことはどうでも良いのです。今朝は車内で、ハッハッハッ!もう大丈夫です。

 

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

相続開始前3年以内の贈与

2017/5/7

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第29号

 

ご覧いただきありがとうございます。

生前贈与は、相続税を軽減するための有効な手段の一つであり、1暦年に110万円以下の暦年贈与については贈与税が課税されませんが、被相続人が行った相続人(相続又は遺贈により財産を取得した者)に対する相続開始前3年以内の贈与については、たとえ110万円の基礎控除額以内であっても相続財産に含められて相続税の課税対象となります。

 

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相続開始前3年以内の贈与

 

相続税対策として生前贈与を行うのであれば、連年贈与がお勧めであると、前回お話ししました。1暦年中に受贈者1人につき110万円までが非課税となるので、10年連続で暦年贈与を行うと、受贈者1人につき1100万円を非課税で贈与することが可能となりますよね。

 

しかし、被相続人からの相続人(相続又は遺贈により財産を取得した者)に対する相続開始前3年以内の贈与(相続時精算課税贈与はそもそも除き、贈与税の配偶者控除などの適用を受ける贈与も除く。※次の段落について同じ。)については、“生前贈与加算”といって、贈与税の計算から外れて相続税の計算に含められることになります。

 

これは、被相続人の死亡の日の3年前の応当日からその死亡の日までの間に贈与※された財産であれば、その贈与の金額が110万円以下の金額であったとしても全てが相続税の課税価格に加算されるということです。

 

この場合に加算される贈与財産の額は、その贈与財産の贈与時における価額(時価)となり、既に納めた贈与税額については、相続により納めることとなる相続税額から控除することとなります。

 

 

この規定の趣旨は、相続税逃れのための行き過ぎた贈与を防ぎたいということであり、被相続人の最期が近づいてきたことを意識して慌てて贈与をして節税をしようとしてもダメですよ、ということなのです。

 

 

相続税・贈与税の節税については、その内容・方法について、早め早めの将来プランが必要になります。

 

もっといえば、日頃からプランについて話し合える雰囲気作りや、相続人同士、また相続人と被相続人との間の仲の良さ、そして良心、思いやり、感謝の気持ちなども将来プランをきっちりと進めるうえで大切な要素になってくるのではないでしょうか。

 

 

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ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

生前贈与の注意点

2017/5/5

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第28号

 

ご覧いただきありがとうございます。

生前贈与は、相続税を軽減するための有効な手段の一つとなります。1暦年中に110万円以下の贈与については贈与税が課税されませんので、単純にこれを10年間続けると1100万円もの財産を課税されずに移転することが出来ます。本日は、この方法をとった時の注意点についてお話しします。

 

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生前贈与の注意点

 

相続税対策として生前贈与を行うのであれば、連年贈与がお勧めです。1暦年中に受贈者1人につき、110万円までが非課税となるので、10年連続で暦年贈与を行うと、1100万円を非課税で贈与することが可能になります。

 

 

この際の注意点としては、

①記録を取っておくということと、

②毎年贈与の決定をしたということを贈与者側も受贈者側も認識の統一をしておく

ということです。

 

つまり①記録の方法としては、現金であれば必ず銀行口座に振り込むということです。何時幾ら贈与したのかを、通帳に証拠として残すことが出来ます。

 

また、著しく低い価額での財産の譲渡であれば、その譲渡の内容をきちんと文書として記しておくことです。生命保険の満期金の受け取りや、上場株式の名義変更などは、保険会社や証券会社からの記録が残るので、記録忘れという心配はありませんが、逆にこれらについては、贈与税が課税されることを知らずに、後々になって税務署から連絡が入った時に慌てるなんてことのないようにしておきましょう。

 

 

次に、②“毎年”贈与の決定をするようにするということも大切なことです。

間違っても、“今年”「今後10年間毎年110万円ずつ渡す」という約束(贈与契約)をしないでくださいね。

 

一度に複数年の支払い約束が成立した時点で、その年に1100万円の贈与がされたことになって110万円の非課税枠を超えてしまいます。単に支払い方が10年間であって、贈与は一括でされたということになりますので注意が必要です。

 

 

なお、贈与というのは口約束であっても契約になりますが、毎年110万円以内で贈与を行うのであれば、契約書を作成しておくのも有効です。更に、その契約書が毎年契約されたと分かるように、年に一回、公証人役場で確定日付を取得しておけば万全といえるでしょう。

 

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≪ひとこと≫

一昨日、神社で例大祭が行われました。神輿の手伝いをして筋肉痛で特に腕はパンパンになっています。昨日は神社で祭りの後片づけを行い、神社から預かった日本酒の一升瓶と町内会からの寸志を、神輿かきに参加した方々の各家庭を訪ねて配って回りました。こういった時間も体力も必要とする神社活動に、いちいち時給幾らなんて考えていたらとてもじゃないけど務まりません。神社の氏子総代の仕事はあくまでも自主的な奉仕活動です。感謝されることがエネルギーになっていきます。

 

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

贈与税の基礎控除

2017/5/2

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第27号

 

ご覧いただきありがとうございます。

今日は贈与税について基本的なところからお話しします。贈与税とは、個人から個人に財産が無償で移転した場合に、財産をもらった側に課税される税金です。しかし、何でもかんでも課税されるわけではなく、一定の金額までは非課税となるものや、もらった物によってそもそも非課税であるものなどがあります。  

 

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贈与税の基礎控除

 

贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、1暦年中110万円以下の贈与については、贈与税は課税されません。1暦年中に110万円を超える部分の金額に対して贈与税が課税されます。

この方法により計算される贈与を暦年課税贈与といいます。

 

<暦年課税の贈与税の計算方法>

 

(1暦年中に贈与により取得した財産の価額の合計額 × 基礎控除額110万円)× 贈与税率 = その年分の暦年贈与税額

 

ここで注意点があります。1暦年中に贈与により取得した財産の価額の合計額とは、贈与者を問わず、受贈者ごとに計算されるということです。

 

例えば、小学生の娘が、じいちゃんA、先生B、いとこC からそれぞれ現金100万円をもらった場合には、合計300万円から基礎控除額110万円を差し引き、その残額に贈与税率を乗じます。やってはいけないのは、じいちゃんA、先生B、いとこCの100万円それぞれが110万円以下だから、全て基礎控除額以下となるよね、です。これはアウトです。

 

あと、どうでもいい話ですけど、なぜ先生Bから100万円もらうんでしょうね。テストでいい点をとったからとか、志望校に合格して先生の株が上がったからとかでしょうか。世の中には100万円をポンと出す人はいますが、お祝い金にしては多いですね。

 

贈与税については、今後幾つかの論点に分けてお話ししたいと思います。

 

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本日は平日ですが、GWということで仕事がお休みの方が多かったのではないでしょうか。僕はカレンダー通りに仕事をしていますが、本日は仕事を休みました。そして、近所の神社の祭りの手伝いをしていました。明日が例大祭なのです。今日は祭り会場等の設営も完了し、宵宮祭も無事に執り行われました。明日は天気も良く神輿かきには最高の日になりそうです。

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

試験研究費かどうか迷ったときの判断基準

2017/4/30

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第26号

 

ご覧いただきありがとうございます。

試験研究費の特別控除関係を立て続けにお話ししてきましたが、本日は試験研究費に計上して良いのかどうか迷ったときの判断基準についてお話しします。  

 

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試験研究費かどうか迷ったときの判断基準

 

青色申告書を提出する法人が、製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用、或いは、新サービスの開発のための費用(試験研究費という。)を支出した場合には、一定の金額を法人税額から控除することが出来ます。これまで何度かに分けてお伝えきました通りで、一部には中小企業者の特例もありましたよね。

 

 

それでは、自社が行っている活動が試験研究に該当するかどうか迷ったときにはどうすればいいのでしょうか?

 

特別試験研究費については具体的に定められていましたが、特別試験研究費に該当しない“一般の”試験研究費の場合はどう判断すればいいのでしょうか。

 

結論から申し上げますと、自社が試験研究費だと認識するならば試験研究費に計上するということになります。

 

 

例えば、自社が新製品の開発や技術の改良のために特別に費用を支出して試験研究を行っていると認識しているならば、それは試験研究費なのです。自社の技術は世界最先端ではないから試験研究費に計上するのは“おこがましい”なんて卑屈に考える必要はありません。自社基準で考えて良いでしょう。

 

 

税務当局側も、「我々は様々な会社を調査して大体の世の中のレベルを知っているつもりです。それを前提に、大変申し上げにくいのですが、貴社が現在総力を挙げて取り組んでいらっしゃる試験研究は、実は世の中のレベルと比較すると、程度が低く、周回遅れといっても過言ではありません。従って、貴社の試験研究費については、我々は試験研究費として計上することを認めません!」なんてことは言えないのです。

 

だから安心して?試験研究費に計上してくださいね。

 

 

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料理を大勢で食べると美味しくなりますね。昨日、今日と家族で実家に帰っておりました。全員大集合とまではなりませんでしたが、それでもワイワイ、ガヤガヤ楽しく食事が出来ました。

 

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

オープンイノベーション型の運用改善

2017/4/27

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第25号

 

ご覧いただきありがとうございます。

本日も引き続き、試験研究費の特別控除関係についてお話します。本日は、特別試験研究費の特別控除(オープンイノベーション型)の運用改善についてです。従来はオープンイノベーション型の運用については範囲が限定されていたり、事務負担が大きかったりしましたが、利用の促進を図るため、平成29年度改正でこれらの問題点の改善が図られました。

  

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オープンイノベーション型の運用改善

 

≪現行の問題点≫

①  特別試験研究費の対象となる共同研究及び委託研究に係る相手方が支出する費用について、対象費目(原材料費、人件費、旅費、経費、外注費)が限定されていました。

 

②  契約変更があった場合には、その契約変更日以後に支出した費用のみが特別試験研究費の対象となっていました。

 

③  特別試験研究費の対象となる費用の金額の確認について、費用内訳(明細書)と領収書等との突合作業が必要と考えられていました。

 

平成29年度改正による改善点≫

①  特別試験研究費の対象となる範囲を、特別試験研究のために要した費用の“総額”とし、光熱費や修繕費等の間接経費も含まれるようになりました。

 

 ②  契約変更前に支出した費用であっても、その契約に係るものであることが明らかであり、その支出日と契約変更日が同一事業年度内であれば特別試験研究費の対象となりました。

 

 ③  特別試験研究費の金額の確認について、費用内訳(明細書)と領収書等との突合作業が不要となりました。

 

 

本日の内容は概要ですが、後日、本改正に関するガイドラインを確認した後にもう少し詳しくお話しする機会を作ろうと思っています。

 

本改正の趣旨としては、現行では規定を適用するための入り口でガチガチにしているため、適用を受けようとする企業側が“めんどくさい“と認識して敬遠していた傾向がありましたが、国側もそれを認識して、今後は融通をきかせましょう、ということでしょう。国力を上げるために税制面での運用改善を通じて本気度を示してきたということでしょうね。”めんどくさい“規定が他にもたくさんありますが、それらについても徐々に使いやすい規定に改定されるといいですね。

 

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僕は車の運転中、思いやりのある運転を心掛けております。歩行者優先の心掛けをしたときや、別の車に先に道を譲ったときなどに、その歩行者や相手方のドライバーからお礼のジェスチャーが返ってくると幸せな気分になります。その時その空間がパッと明るくなります。

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

試験研究費 人件費の専ら要件

2017/4/25

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第24号

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

試験研究費の特別控除の対象となる試験研究費は、製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する費用、或いは、新サービスの開発のための費用で、”損金の額に算入されるもの”をいい、具体的には試験研究のための原材料費、人件費、経費等が該当します。 

本日はその中から、試験研究のための人件費について詳しく見ていきます。 

  

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人件費の専ら要件

 

試験研究費に含める人件費は、専門的知識をもって試験研究の業務に“専ら”従事する者に係るものをいいます。たとえ研究所等に専従する者に係るものであっても、例えば事務職員、守衛、運転手等のように試験研究に直接従事していない者に係るものは含まれないことに留意する必要があります。

以上のように、措置法通達には試験研究の業務に“専ら”従事している者の人件費のみが試験研究費に含まれることが規定されています。

 

それでは、“専ら”従事している者とはどのような者なのでしょうか。これについては、経済産業省から解説が出されているので、これをもって判断材料にすると良いでしょう。これを知らずに上記の措置法通達だけで判断すると判断に迷い間違いのもとになりますし、本来なら試験研究費に含めることができた試験研究費を見過ごしてしまうことにもなりかねません。知っているのと知らないのとでは大違いなのです。

 

 

専ら要件に該当する者

 

(1)試験研究を専属業務とする者(試験研究部門に属している者、研究者としての肩書を有する者等)

(2)研究プロジェクトの全期間中従事する者

(3)次のすべての事項を満たす者

 ①試験研究のために組織されたプロジェクトチームに参加する者が、研究プロジェクトの全期間にわたり研究プロジェクトの業務に従事するわけではないが、研究プロジェクト計画における設計、試作、開発、評価、分析、データ収集等の各フェーズのうち、その者が専門的知識をもって担当する業務に、その担当業務期間中、専属的に従事すること。

 ②担当業務が試験研究のプロセスで欠かせないものであり、その者の専門知識がその担当業務に不可欠であること。

 ③研究プロジェクト計画に沿ってその者が担当業務に従事しており、トータルとして概ね1ヶ月(実働20日程度)以上従事していること。(連続した従事期間でない場合であっても良く、担当業務の特殊性から間隔を置きながら行われる場合には、その期間をトータルするものとする。)

 ④その者の担当業務への従事状況が明確に区分され、担当業務に係る人件費が適正に計算されていること

 

以上のように、(3)では、たとえある一定の期間だけであったとしても、専門的知識をもって試験研究プロジェクトに従事する者の人件費については一定の要件をもとに試験研究費の額に含めることができます。

 

同じ試験研究を行うのであれば、優遇税制の適用を確実に受けるためにも、プロジェクト計画をしっかりと作成する、従事状況の記録を正確に取る等を行いたいものです。

 

スピーカー, 表彰台, プレゼンテーション, セミナー, 音声, 話, 話す

 

≪一言≫

職場まで車通勤をしています。電車通勤だとラッシュアワーの時にはぎゅうぎゅう詰めになるものの概ね時間通りに電車は進みますが、車通勤だと電車よりも不確実性が高く、季節、曜日、その日の天候等によって、朝の渋滞状況は大きく変化します。

渋滞にはまるとイライラしがちですが、あえてここは気持ちを正常にすることが大事ですね。自分はなぜイライラするのか、その根源は、「時間が無駄になっている」と感じるからだと思います。そこで、時間を無駄にしないために、自己啓発のCDを聴く、資格試験の勉強をする、好きな音楽を大音量で聴く、歌う、プレゼンの練習をする等々、通勤時間を有効に利用するようになりました。(もちろん、安全運転が基本ですが。)

これは一石二鳥です。

時間も有効に使えますし、渋滞でもイライラしない心になりますね。

 

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ

試験研究費の範囲の拡充

2017/4/23

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第23号

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

先般、試験研究費の範囲についてお話しましたが、本日はその中から“新サービスの開発のための費用”についてお話します。この費用は、平成29年税制改正によって拡充された試験研究費に該当します。

 

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試験研究費の範囲の拡充

平成29年度の税制改正によって、試験研究費の範囲に、新サービスの開発等に係るものが追加されました。この結果、試験研究費の範囲は、大きくは次の3つになりました。

 

 

・製品の製造に係る試験研究費

 

・技術の改良・考案又は発明に係る試験研究のための費用

 

・新サービスの開発等に係る費用

 

新サービスの開発等に係る費用とは、ビッグデータ等を活用した第4次産業革命型のサービスに係る費用のことをいいます。

 

そのサービスの例示が経済産業省から出ています。

 

①各個人に応じたヘルスケアサービスのための、各個人の運動・睡眠・食事・体重・心拍数等の健康データの分析とそのデータを活用するサービス

 

②自然災害から身を守るための、ドローン等を活用した気象データ等の収集・分析と、リアルタイムな自然災害予報の通知サービス

 

③農業を支援するための、土壌データや気象データのセンサーによる自動収集、分析と、農家が最適な農作業をできるような支援情報を配信するサービス

 

④観光のための、ドローンや人工衛星等を活用した気象データ、生態系データの組み合わせ分析と、その分析結果を生かした高付加価値だが発生頻度の低い自然現象等の発生を精緻に予測するサービス

 

 

平成29年度の税制改正の目的

 

総務省によれば、IOT、ビッグデータ、AI等の技術の台頭に伴う第4次産業革命と呼ばれる今後の産業構造の大きな変革を見据えると、これまで以上に不確実性が高く難しい研究テーマに対して、先行的かつ継続的にチャレンジすることが企業の競争力の原動力になることから、「骨太の方針」において掲げられた2020年までに官民合わせた研究開発投資を対GDP比の4%以上にする高い目標を達成するためには、民間企業の中長期的な視点を踏まえた研究開発投資の大幅な増加を促す必要があるとされています。

 

そのため、研究開発投資を税制面からもバックアップするために、平成29年度においては研究開発税制の拡充、延長、見直しが幾つも行われているのです。 

 

 ツツジ, 春の花, ばね山, 自然, 韓国, 花の木, ばね, 4月

 

山道をドライブしていると群生しているミツバツツジを見かけました。写真を撮るために下車したら、そこは、すぐ傍で、いたるところからウグイスの鳴き声が聞こえる場所でした。しばらくの時間うっとり、その音色を楽しみました。サラッと通り過ぎていなくて本当に良かった。

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ