年末調整されない所得控除

2017/3/9

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第4号

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

僕はサラリーマンとして会社勤めをしており、これまで主に会計、税務、資金の仕事で経験を積んできました。また、自分の仕事に関する知的好奇心が高まった結果、仕事をしながら受験勉強をして税理士の資格も取得しました。

 

このブログでは、僕が仕事で得た知識や税理士の勉強で得た知識の中から、僕自身に関心があるもの、そして皆様のお役に立てると思うものを、できるだけシンプルに、手短に紹介してまいりたいと思います。

 

サラッと読み流していただいて、「そう言えば、さくさがあんなこと言ってたよね。」みたいな感じで、何かの拍子にふと思い出していただければ嬉しいです。

 

 

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年末調整されない所得控除

 

 

前回は還付申告のことについてお話しました。

 

サラリーマンは年末調整をしたらほぼ終わったようなものですが、還付がある場合には時効までに還付申告すれば税金が戻ってくるという話でしたよね。

 

そこで、サラリーマンが還付を受けるケースになることが多いと思われる所得控除の話をしていきたいと思います。


 

所得税では所得控除の種類が14種類あります。所得控除って何かというと、ざっくりいえば、所得税で税額を計算する際に、様々な種類の所得金額からマイナスするものです。マイナスした後の金額を課税所得金額といい、その課税所得金額に税率を乗じて税額を計算します。

 

 

・1暦年分(1月1日から12月31日まで)の様々な所得の金額 -所得控除額 = 課税所得金額

 

・課税所得金額 × 税率 = 税額

 

 

所得控除の種類

 

雑損控除

 

医療費控除

 

社会保険料控除

 

小規模企業共済等掛金控除

 

生命保険料控除

 

地震保険料控除

 

寄付金控除

 

障害者控除

 

寡婦寡夫控除

 

勤労学生控除

 

扶養控除

 

配偶者控除

 

配偶者特別控除

 

基礎控除

 

 

14種類ある所得控除のうち、11種類までを会社の年末調整で所得金額(サラリーマンの給与所得)からマイナスをしてくれるのですが、残りの3種類はご自身で申告しなければならないことになっているのです。

 

 

残りの3種類というのが、

 

雑損控除

 

医療費控除

 

寄付金控除

 

です。

 

この3つについては、会社の年末調整では面倒を見てくれません。

 

その理由は色々あると思いますが、


年末調整は会社でするものなので、ほぼ金額が確定した所得控除だけしか会社は面倒を見きれないといった事情が挙げられます。

 

医療費を例にとると、

 

「年末調整の計算に変更が生じてしまうから病院に行くのを先延ばしにして、年明けまで我慢しよう」なんてことしないですよね。

 

年末調整に関係なく、必要なときには病院に行ったり、薬を買ったりするのだから、医療費の金額は年明けになってからでないと正確な金額を集計できません。

 

だから、会社の年末調整で医療費控除額を計算するのはほぼ不可能なのです。また、仮に計算できたとしても、従業員から病院や薬局のレシートの束をもらって一人ずつの集計をしたり、

 

そもそも、「これって医療費控除の対象となる医療費に該当するのかな?」といった確認や判断をすることって、やっぱり会社では実務上はほぼ不可能に近いと思います。

 

雑損控除も寄付金控除もこのように医療費控除と同じような理由があるので、やっぱりご自身でどうぞ、となるのです。

 

 

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。

 

さくさ