住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税の特例

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第36号

 

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相続時精算課税制度は、特別控除額の2500万円までは贈与税が課税されることなく60歳以上の直系尊属から20歳以上の推定相続人又は孫に対して生前に財産を一時に移転するのに有効な制度であることをお伝えしてきました。

使い方は色々あるのですが、相続税の課税価格に持ち戻す金額が贈与財産の贈与時の価額となっているため、将来に価値が上がる物件を現在の安いうちに予め贈与しておくことや、賃貸用不動産などの収益物件を早いうちに贈与しておくことで、将来的・全体的な節税につなげることが可能となります。

今回は、移転財産が住宅取得や住宅の増改築のための資金である場合の相続時精算課税の特例についてお話しします。

この制度は租税特別措置法なのですが、これまでに何度も延長を行ってきた制度であります。高齢化が進展するなか、高齢者から購買層である若者へ早期の財産の移転を通じて景気浮揚を図りたい政府と、関係業界との思惑が一致している結果なのでしょうね。

 

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住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税の特例

 

父母又は祖父母からの贈与により、自己の居住の用に供する家屋の新築、取得、又は増改築等の対価に充てるための金銭(住宅取得等資金)を取得した場合で一定の要件に該当するときは、贈与者である父母又は祖父母がその年1月1日において60歳未満であったとしても、相続時精算課税の適用を受けることができます。

 

更に、最高で1200万円までの非課税枠が与えられ、相続時精算課税の特別控除額2500万円との組み合わせで、最高3700万円までの贈与が非課税となります。

 

この場合の受贈者の要件は次の通りです。

・贈与者の直系卑属である推定相続人又は孫であること

・贈与年の1月1日で20歳以上であること

・自己の配偶者や親族などの特殊関係者から住宅の取得等をしないこと

・贈与年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて居住用家屋の新築又は増改築を行うこと(受贈者の所有は共有でも可)

・贈与年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なく居住の用に供することが確実であると認められること(年末までに居住することが必要)

・合計所得金額が2000万円以下であること

 

住宅取得等に係る特例については規定が多くありますので次回以降も引き続きお話しします。

 

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ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が世界で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。

  

さくさ