所得税が課税されない譲渡所得1(そして、蜂蜜)
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第57号
ご覧いただきありがとうございます。
<前ふり>
職場の人から蜂蜜を頂きました。
「さくささん、家で蜂蜜が採れたので食べて下さい。」
と、ソフトボール位の大きさの瓶一杯に入った蜂蜜を手渡されました。
蜂蜜が採れた!?
「最近は西洋ミツバチが多くなったので、昔みたいな日本ミツバチの蜂蜜の味とは違うんですけどね。」
ミツバチに種類があったんだ。
味が違うんだ。
都会生まれ、都会育ちの僕にしてみれば大変な驚きです。
先日、職場の帰りにカブト虫採りに出掛けたこともそうですが、田舎の職場にいると、これからも楽しい驚きがたくさん発見できそうです。
今回の蜂蜜で思い出したことがあります。
僕が小学校の低学年のとき、
その日は近所の子どもたちと家の前で遊んでいました。
「ケン・ケン・パ」か何かの遊びだったと思います。
そんなことをして遊んでいるうちに、そのなかの一人が、僕の家の隣家の花壇に咲き誇っていた“ツツジ”の花を1つ抜き取って、花弁の根元をチューチューと吸いはじめました。
「うまいっ!」
また一つ。
「甘いっ!」
ん、花がうまい、甘い?
彼は花を何度も“おかわり”しています。
試しに僕も花を吸ってみました。
!! 確かにうまい。
大発見です。
子どもたちはミツバチのようにツツジに群がって、次から次へと花の蜜を吸い始めました。
もう止めることが出来ません。
立派に咲き誇っていたツツジの花壇ですが、次第にみすぼらしくなってきて、花壇の下には吸い尽くされた花弁が山のようにポイ捨てされていました。
僕には美味しかった思い出だけしか残っていないので、
きっと誰にも怒られず、誰にも謝りもせずに、満足して花壇を後にしたのだと思います。
お隣さん、大変遅くなりましたが、花壇を吸い散らかして、ごめんなさい。
そして、ごちそうさまでした。
美味しい思い出をありがとうございました。
注意書き:
ツツジには毒のある種類もあるそうですので、お試しの際には、必ず専門家の確認をお願いしますね。
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さて、本題に移ります。
所得税が課税されない譲渡所得1
資産を譲渡して所得が生じたからといっても、何から何まで所得税が課税されるわけではありません。
今回は、譲渡しても所得税が課税されない譲渡についてお話します。
生活用品(生活に通常必要な資産)の譲渡は非課税
家具、食器、通勤用の自動車、家電、洋服など、「生活に通常必要な資産」の譲渡による所得は非課税となります。
身近なところでは、物品をバザーなどで売却したりすることがあると思います。
そのような場合、元々商売っ気があるわけではないと思われるので、たくさんの儲けが出るものではないでしょう。
課税する側も“めんどくさい”でしょうから、少額不追求ということで、生活用の動産の譲渡による所得は非課税となっています。
一方で、
「生活に通常必要で“ない”資産」の譲渡による所得は非課税とはなりません。
しっかりと課税されてしまいます。
例えば、
貴金属、宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額(時価)が30万円超であるものの譲渡による所得は課税されます。
「生活に通常必要でない資産」は他にもあります。
・競走馬その他射こう的手段となる動産(事業目的の競走馬は除きます。)
・趣味、娯楽、保養目的の不動産(例として、別荘などが該当します。)
・主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で保有する動産(例として、スポーツカー、ヨットなどが該当します。)
まぁ、常識的に考えて、贅沢品には所得税が課税されると思って頂ければ、概ね正解です。
ちなみに、売却損が出た場合には、その譲渡損失はなかったものとされます。
同じ分類の、総合譲渡の損失なら総合譲渡の儲けとの通算はできますが、他の所得との損益通算は認められていません。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
読者の皆様が宇宙で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。
さくさ