雑損控除の適用を受ける場合の控除額の計算について(前ふり:ポイ捨て)

「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第117号

 

ご覧いただきありがとうございます。

このブログは、

税金の知識を得ることで安心して事業を行いたい個人事業者の方とその予備軍の方のためのブログです。

 

<前ふり>

 

久しぶりに、道路にポイ捨てする人を見てしまいました。

そんなことする人がまだいたのですね、

残念です。

 

ゴミをゴミ箱に捨てるのではなく、

道路などにポイ捨てする人の思考については、

さくさは全く理解できません。

 

確かに、道路にゴミが落ちているのは見かけるので、

誰かが捨てているのかもしれませんが、

 

でも、

 

さくさは、それは誰かが

「落としてしまった」

 

あるいは、

「うっかり置き忘れてしまった」

 

と、自分勝手に考えるようにしていたのかもしれません。

 

ですが、明らかに「捨てている」という光景を見てしまうと、

何だか残念な気持ちになりました。

 

ポイ捨てする人も、

まさか、自分の家の真ん前や、

自分の家の中でポイ捨てなんてしないでしょうにね。

 

自分さえ良ければいい、なんて思考は成り立ちません。

 

 

陸も海も空も、

道は全部つながっています。

 

 

それと同じように、

人も皆つながっているのです。

 

 

さくさも、

“自分は自分”、“他人は他人”

と思って区分してしまいがちなのですが、

 

 

実は根っこのところでは、

 

自分も、他人も皆つながっていると思います。

 

 

私はあなた。

 

あなたは私。

 

 

そう感じることができると、

 

取るべき行動を間違えることはない

と思います。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆  ☆☆☆☆☆☆☆

 

 

本題のお話しに移ります。

 

平成29年分の所得税について確定申告義務がある方については、

平成30年2月16日から3月15日までの期間に確定申告書を提出しなければなりませんが、

 

還付の申告であれば、

その期間内ではなくても、

今からすぐにでも申告書を提出することができます。(5年間の時効が成立するまでは過去の分でも提出することができます。)

 

独立予備軍である会社員の方については、会社で年末調整を済ませていることでしょうが、

 

・雑損控除

・医療費控除

・寄付金控除

 

については、会社の年末調整では控除を受けることが出来ません。

 

これらの適用を受けて還付を受けるためには、

個人事業主の方も、独立予備軍である会社員の方であっても、

ご自身で確定申告をする必要があるのです。

 

さて、さくさの友人が、前の台風で自宅が破損し修理するのだと最近聞きましたので、前回に引き続き、雑損控除についてお話しをしたいと思います。

 

 

雑損控除の適用を受ける場合の控除額の計算について

 

雑損控除とは

災害、盗難、横領によって、一定の資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができるというものです。

 

 

災害、盗難、横領の範囲や、

雑損控除の対象とならない資産については、

前回お話ししました。

(↓こちら)

 

saku-sa.hatenablog.com

 

 

つまり、

雑損控除の対象となる資産は、

・生活に通常必要な資産(住宅、家財など)

・事業用以外の資産(事業用ではない、業務用の資産)

と考えて頂ければ大丈夫です。

 

 

雑損控除額の計算

 

<損失の金額の計算>

 

①損害の額 - ②保険金等の額 + ③災害等関連支出の金額 =  損失の金額

 

 

①損害の額

 

損害の額は時価で計算します。

簿価ではありません。

 

「損失発生の直前時価」 から、「損失発生の直後時価」を差し引いて計算することとなっています。

 

ここで ”時価” という概念が出てきました。

 

保険会社などから客観的な評価額が得られればいいのですが、

現実的には分かりにくい場合があると思います。

 

その時のために、「合理的と認められる方法」として、

幾つかの計算方法が認められています。

 

例えば、

・取得価額が判っている資産(住宅、家財、自動車)であれば、詳細は抜きにして、

 

( 取得価額 - 減価償却費 )× 損害割合

 

で金額を求めることも認められています。

 

・取得価額が判らない場合であっても、

 

 住宅であれば、

国税庁が決めた地域・構造別の工事費用表を基に計算できたり、

 

 家財であれば、

家族構成別の家財評価額表で計算できたりします。

(ちなみに、この表で求めた40歳台夫婦2人分の家財の評価額は、1,100万円となっています。)

 

 

つまり、申し上げたいことは、

時価が計算できないからといって

諦めることはない、

ということです。

 

 

②保険金等の額

 

保険金、共済金、損害賠償金等で損失に補填される金額があれば、

その金額は損失の金額から控除します。

 

保険金等の額は、損失が発生した資産と個別に対応させて、

損害の額から控除することとなります。

 

その際に、個別に引ききれない金額(保険差益)がある場合には、

その部分の金額は非課税所得となります。

 

つまり、

保険金等を受け取った場合には

損額の額から控除しなければならないが、

保険等で差益が生じた場合には、

その益は課税されないということです。

 

 

 

③災害等関連支出の額

 

災害等に関連して、”やむを得ず” 支出する費用のことです。

 

例えば、

壊れた住宅や家財などの取り壊しをしたり、

撤去したりする費用のほか、

障害を取り除いたりするための原状回復費用などもこれに該当します。

 

 

 

ここまでで損失の金額が計算できたので、

次は雑損控除額の計算に移ることができます。

 

 

 <雑損控除額の計算>

 

雑損控除として控除することが出来る金額は,

次の2点のうち、金額の多いほうが優先されます。

 

1.(損失の金額) - (総所得金額等) × 10%

2.損失の金額のうち災害関連支出の金額 - 5万円

 

 

つまり、

総所得金額等の10%を超えるような

大きな損失の金額が計算される場合や、

5万円以上となる高額の災害関連支出をした場合に、

雑損控除の適用があるということですね。

 

 

他にもお伝えしたいことがあるのですが、長くなりそうなので、

今回はここまでにしておきます。

 

 

会計士, 会計, 顧問, 算術演算, 資産, 銀行, 札, ビジネス, 実業家

 

 

ここまでご覧くださいましてありがとうございました。

 

読者の皆様が宇宙で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。 

 

さくさ