還付の時効
2017/3/7
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第3号
ご覧いただきありがとうございます。
僕はサラリーマンとして会社勤めをしており、これまで主に会計、税務、資金の仕事で経験を積んできました。また、自分の仕事に関する知的好奇心が高まった結果、仕事をしながら受験勉強をして税理士の資格も取得しました。
このブログでは、僕が仕事で得た知識や税理士の勉強で得た知識の中から、僕自身に関心があるもの、そして皆様のお役に立てると思うものを、できるだけシンプルに、手短に紹介してまいりたいと思います。
サラッと読み流していただいて、「そう言えば、さくさがあんなこと言ってたよね。」みたいな感じで、何かの拍子にふと思い出していただければ嬉しいです。
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還付申告はいつするの?
前回は、所得税の確定申告期限、それと、サラリーマンであっても確定申告しなければならない人の大まかな例についてお話ししました。
確定申告期限は、その年の翌年の2月16日から3月15日まででしたよね。この期間内に所得税については確定申告をして税金を納めるという手続きを行うことが必要なのです。
でもね、みんながみんな申告をして税金を納める立場の人ばかりではないのです。
サラリーマンであれば確かに、会社での源泉徴収と年末調整で、ハイ終了!って方のほうが多いですが、なかには申告をすると、これまでに会社から源泉徴収されていた所得税が返ってくるという方がいらっしゃいます。
この場合の申告のことを、先の「確定所得申告」に対して「還付申告」と呼びます。
この還付申告は、確定所得申告のように何月何日から何月何日まで、といった期限はないので、例えば新年早々にでも提出することができるのです。
また、うっかりしてしまって、
3月15日までに申告を提出し忘れちゃった、なんて人であっても、時効が成立していなければまだ間に合うのですよ。
ここで“時効”という言葉が出てきましたね。
還付金等の消滅時効
「還付金等に係る国に対する請求権は、その請求をすることができる日から五年間行使しないことによって、時効により消滅する。」(国税通則法第74条第1項)
還付の時効はこのように定められています。請求できる日から5年間行使しないと消滅するのですが、消滅さえしていなければ、今からでも還付申告ができるということになります。
だから、「少し昔のことだから、まっ、いっか。」と諦めるのはまだ早いですよ。
税法の表現ですが、
確定所得申告はきっちりと期限が決められているため、確定申告書を提出“しなければならない”、と納税者にとって義務的な、厳しい表現になっています。
確定申告の広告宣伝についても、国税庁のホームページで特集を組んだり、ポスター貼ったりと、大々的に行ってますよね。
一方で、還付申告ですが、こちらは、確定申告書を提出“することができる”、という表現になっています。納税者にとって選択的で、緩い表現ですよね。義務ではありません。
「国民の皆さま、次第に寒い季節になってまいりました。もうすぐ年末を迎えます。どうか思い出してください、5年前までのことを。うっかり忘れてしまっていた還付申告の期限がもうすぐ到来します。払いすぎていた税金はきっちりお返ししますので、お忘れのないようにご確認願います!」
毎年秋ごろに、国からこのような宣伝放送がたくさん聞けたら大したものだなぁ。
今後、今回のお話しの還付申告について、サラリーマンにとってありがちな事例を交えてお話しをしてみたいと思います。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
サラリーマンでも確定申告しなくちゃいけないの!?
2017/3/4
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第2号
ご覧いただきありがとうございます。
僕はサラリーマンとして会社勤めをしており、これまで主に会計、税務、資金の仕事で経験を積んできました。また、自分の仕事に関する知的好奇心が高まった結果、仕事をしながら受験勉強をして税理士の資格も取得しました。
このブログでは、僕が仕事で得た知識や税理士の勉強で得た知識の中から、僕自身に関心があるもの、そして皆様のお役に立てると思うものを、できるだけシンプルに、手短に紹介してまいりたいと思います。
サラッと読み流していただいて、「そう言えば、さくさがあんなこと言ってたよね。」みたいな感じで、何かの拍子にふと思い出していただければ嬉しいです。
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サラリーマンでも確定申告しなくちゃいけないの!?
毎年この時期になると、やたらと「確定申告」という言葉を耳にしませんか?
日本にはたくさんの種類の税金がありますが、この時期に国税庁が「確定申告しましょうね」と宣伝しているのは、専ら、所得税、贈与税、そして個人事業者の消費税なのです。
俳優の高橋英樹さんご夫妻が毎年のように確定申告の宣伝に出演されているのをご存知でしょうか。
今年はフリーアナウンサーの娘さんとご一緒に確定申告を2月16日に終らせたとのニュースを見たのですが、確定申告は、所得税と贈与税は3月15日まで、個人事業者の消費税は3月31日までが期限となっています。
2016年分の所得税の確定申告の受け付けが2月16日から全国の税務署や特設会場にて既に始まっているのですが、高橋英樹さんご一家は、今年もその初日に無事に済ませたということになりますね。
今はもう3月に入っていますので、今さら確定申告の話をしても時期遅れ感がたっぷりなのですが、そうは言ってもまだ期限が到来しているわけではありません。
さくさのようにサラリーマンをしていると、所得税が毎月の給与から勝手に?天引きされていて、年末になると年末調整なるものが行われて、ハイこれにて完了!、ってことで、確定申告なんて必要ないよ、という方が多いと思われます。
でもですね、サラリーマンであっても確定申告をしなければならない人がいるのですよ。読者の皆さまにも該当する方がいらっしゃるかもしれませんので、どのような方が確定申告をしなければならない人かお伝えしておきますね。
サラリーマンでも確定申告しなければならない人
1. 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
2.1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
3.同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
実際には他にももっと色々とあるのですが、段々とレアケースになってきますので、ここではこれ以上書くことはやめておきますね。
ざっくり言うと、サラリーマンで確定申告しなければならない人は、
1.年収2,000万円超の高給取り
2.副業で年間20万円以上儲かっている人
3.自分の会社や身内の会社から金利や賃料をもらっている人、
などです。
いかがでしょうか。
うーん、もしかしたら思いのほか多くの方が該当するかもしれませんね。又は、近いうちにそうなったら嬉しいですよね。
これを裏を返して税務署の立場から見ると、税金の取りこぼしがないようにしたいということの表れでもあるんですね。だから確定申告しなさいねと。
今回の話で、自分はもしかしたら確定申告が必要かもしれないと思った方は、お近くの税務署や身近な税理士さんにお問い合わせなどして下さいね。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ
税理士の使命ってなんだろう
2017/3/2
サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ 【第一回】
はじめまして。サラリーマン税理士のさくさと申します。
ご覧いただきありがとうございます。
僕はサラリーマンとして会社勤めをしており、これまで主に会計、税務、資金の仕事で経験を積んできました。また、自分の仕事に関する知的好奇心が高まった結果、仕事をしながら受験勉強をして税理士の資格も取得しました。
このブログでは、僕が仕事で得た知識や税理士の勉強で得た知識の中から、僕自身に関心があるもの、そして皆様のお役に立てると思うものを、できるだけシンプルに、手短に紹介してまいりたいと思います。
サラッと読み流していただいて、「そう言えば、さくさがあんなこと言ってたよね。」みたいな感じで、何かの拍子にふと思い出していただければ嬉しいです。
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税理士の使命ってなんだろう
税理士がどんな仕事をしているのか、どんな職業であるのかは、読者の皆様の多くはご存知のことと思いますし、これまでに税理士との接点がなくても大方の想像はつくと思います。
まあ、何でも屋みたいなところがあるというのも事実ですので、特にここでは、税理士があんなこともしている、こんなこともしていると個別具体的なことを書き並べることはしませんが、
税理士制度の目的を示す抽象的な視点として参考になるものが税理士法に記載されているので紹介いたします。
税理士法第一条には、税理士の使命が記載されています。
まず最初の段階で税理士という資格者がどのような使命を負っているのかをはっきりさせておくためなのでしょうが、資格制度で使命条項があるのは珍しいことと思います。
税理士法第一条
「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」
ふむふむ、まぁ、税に関する専門家というのは、そりゃそうだよな、といったところでしょうが、
「独立した公正な立場において」
「申告納税制度の理念にそって」
「納税義務者の信頼にこたえ」
ってところで、当時、税理士受験生であった僕は何か引き込まれる感覚がしたのを覚えています。
その中でも特に、
「独立した公正な立場において」
っていうところが僕の心を掴んだ部分であり、
これは、納税義務者あるいは税務当局のいずれにも偏しない独立した公正な立場で、税務に関する専門家としての良識に基づいて行動しなければならないこととされています。
税理士はその存在自体が認められているという感覚、専門家として自分の良識を信じて偏らずに行動したら良いのだという誇らしい感覚がそのとき立ち上がりました。
通説としてですが、当初は、納税義務者の権利を擁護することを使命とするよう明記してはどうか、という意見もあったそうですが、
納税義務の適正な実現を図ると規定していることから、過少でもなく過大でもなく税法に定める通り納税するということであり、納税義務が適正に実現できるならば、納税義務者の租税債務の履行には何ら不利益を受けることはなく、
結果として納税義務者の権利は擁護されていることになるので、敢えてそのような記載を設けるまでもないこととされました。
なんだかカタイ話題からスタートしましたが、
僕が税理士の受験生であったときに、この条文を知ったことで、その後の長い受験勉強を最後まで続けることができた理由の一つにもなったので、まず初めに紹介することとしました。
さて、次回以降ですが、税法の話や、事例をあげての具体的な取り扱いについて、少しずつ話をしていきたいと思います。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ