中小企業者等の試験研究費の特別控除
2017/4/16
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第20号
ご覧いただきありがとうございます。
今日はこの春最後になるだろう花見散策に出かけました。
いやぁ、とても暑かったです。ホントに。
服装を間違えてしまいまいました。ジャケットを着て出かけたのですが、道中はずっと脱いで腕に掛けていましたから。昼間は半袖が正解でしたね。
外国人の観光客がとても多かったです。撮影スポットなんて、回りの100人中、日本人は10人もいなかったと思います。
僕が小学生くらいの時には、外国人が数人いただけで、「外人だ、外人だ」って物珍しく思っていましたから、ずいぶんと時代は変わりましたね。
僕は、今の多くの外国人が日本を観光している状態を嬉しく思います。もっとたくさんの外国人に日本を体験してもらいたいですね。
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さて、前回、前々回で「特別試験研究費の特別控除」及び「試験研究費の総額に係る特別控除」についてお話ししました。
今回は、中小企業者等の試験研究費の特別控除についてお話しします。
今回の中小企業者等の試験研究費の特別控除については、前回の試験研究費の総額に係る特別控除との選択適用になりますが、控除率が明らかに今回の特別控除の方が有利となるので、中小企業者等の方は実務上は今回の特別控除の方を選択すると良いですね。
中小企業者等
法人税法では、この“中小企業者等”という用語がよく登場し、中小企業者等に限定した優遇規定が数多くあります。
中小企業者等とは、次のいずれかの法人をいいます。
・資本金又は出資の金額が1億円以下の法人
・資本金又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1000人以下の法人
・農業協同組合等
但し、次の法人は、上記に該当しても中小企業者等に該当しません。
・大規模法人(資本金若しくは出資の金額が1億円超の法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する使用人の数が1000人を超える法人のことをいう。)に発行済株式又は出資の総数等の3分の2以上を所有されている法人
・2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数等の3分の2以上を所有されている法人
つまり、見かけ上の会社の規模は中小であっても、大企業の子会社などのように、実質的には大企業の一事業部門と考えられるような企業については、優遇規定は必要ないでしょう、ということです。
中小企業者等の試験研究費の特別控除
中小企業者等で青色申告書を提出するものの各事業年度において、その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額がある場合には、その法人のその事業年度の所得に対する調整前法人税額から次の計算式で計算した特別控除額を控除します。
<計算式>
(1)先ずは、税額控除限度額を計算します。
特別試験研究費以外の試験研究費の額 × 控除率(※) = 税額控除限度額
※控除率は、12%~17%で、増減試験研究費割合によって、次のように異なります。
・増減試験研究費割合が5%超の場合
控除率 : 12% + (増減試験研究費割合-5%) × 0.3
・増減試験研究費割合が5%以下の場合
一律12%
増減試験研究費割合とは、試験研究費の額から比較試験研究費の額を減算した金額の当該比較試験研究費に対する割合をいいます。
比較試験研究費とは、前3年以内に開始した各事業年度において損金の額に算入される試験研究費の額を平均した額をいいます。
(2)次に、税額基準額を計算します。
調整前の法人税額 × 25% = 税額基準額
(ただし、増減試験研究費割合が5%超の場合には、10%の上乗せ規定があります。)
(3)最後に、税額控除限度額と税額基準額を比較して、いずれか少ない金額が特別控除額になります。
平成29年度の税制改正
上記の控除率は、平成29年4月から平成30年度末までの時限措置になります。
改正前は試験研究費割合に応じて12%の控除率でしたが、12%~17%に改正されました。平成30年4月からは恒久措置の一律12%に戻ります。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
皆様の幸せを心よりお祈り申し上げます。
さくさ