相続税の物納による所得の非課税(そして、洗濯物をたたむということ)
2017/7/8
「サラリーマン税理士さくさの納税のすすめ」第62号
ご覧いただきありがとうございます。
<前ふり>
最近は、洗濯ものが乾きにくいジメジメとした季節ですね。
皆さんは洗濯物を綺麗にたたんでいらっしゃいますか?
僕が小さいころに教えられたことは、服はキチンとたたんでから着る、
ということでした。
それこそ、ベランダから取り込んだばかりの服をすぐに着て、急いで出かけなければならなかった時でも、
その服を着る前に、母親は“サササッ”と軽くたたんでくれました。
こっちは急いでいるので、苦情交じりに
「すぐ着んのに、なんでたたむん!」
と聞くと、
「お天道様(おてんとさま)への感謝の気持ち」
と言っていました。
小さいころの僕は、よく分からないまま、その言葉に反論できませんでした。
いや、むしろ何かが“腑に落ちた”感じがしていました。
それからというもの、僕はその時のことを覚えていて、
ハンガー物などは別として、洗濯物は自ら進んでたたむようにしています。
洗濯物をたたむという行為を“作業”として捉えると、”効率化”の話に行きついてしまい、特に急いでいるときなどは省略しても良い”工程”になるのですが、
僕にとって、洗濯物をたたむという行為は、作業とか効率化とかでは説明のできない、
何か別の「大切なこと」のように感じています。
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さて、本題のお話をします。
所得税が課税されない譲渡所得5
このシリーズも、いい加減終わりとなりますが、
今回も、譲渡しても所得税が課税されない譲渡についてお話します。
相続税の物納による所得の非課税
・財産を相続税の物納に充てた場合には、その財産の譲渡はなかったものとみなされます。
ただし、物納の限度額を超える価額の財産を物納した場合には、その超える部分の所得は譲渡所得の課税対象になります。
・ここではむしろ、「物納とは何?」といったところが先かもしれませんね。
ざっくりとお話ししますと、
物納とは、税金を金銭で納付する代わりに、金銭以外の財産で納付することをいいます。国債や株式、不動産などがよく物納財産として取り扱われます。山林でも大丈夫です。
相続税を延納によっても納付する時が困難な時に、納税者の申請によって物納することが認められています。
物納を判断する際には、ご自身で売却して課税されたうえでの金銭納付と、物納による納付とで、損得や手間などを総合的に比較してみると良いでしょう。
・話を所得税の非課税に戻しますが、
そもそも、
「物納してるのに、それに対して課税とは何事か!」
ということで、普通に考えれば課税なんてされないのですが、
もしも法律で今回のような規定が定められていなければ、
「気の毒ですが、法律上課税する。」
となるのですね。
法治国家ですから。
ここまでご覧くださいましてありがとうございました。
読者の皆様が宇宙で一番幸せになることを心よりお祈り申し上げます。
さくさ